【マイセンのあいうえお】根

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稲の根には、その稲が健康かどうか、どんな田んぼで育ったかが、はっきりと表れます。

稲は、根から養分を吸収します。その養分は、田んぼにすむ微生物が、土壌の有機物からつくりだしたものです。稲は、微生物から養分をもらう代わりに、光合成で得たエネルギーを根から微生物に与えてやります。

このように、稲と微生物は、根を介して、エネルギーと養分の交換を行っています。

根のまわりには、エネルギーを求めた微生物たちが集まってくるので、稲は土壌に根を出来るだけ張り巡らせようとします。細くて長いほうが、より表面積を稼げるので、稲の根は、自然に細く長く、量も多くなります。そうすると根がしっかり張りますので、雨風にも強く、丈夫な稲に育っていきます。これが健全な土壌で育った稲の根の姿です。

かたや、化学肥料で育てられた稲は、これとは正反対に育ちます。
化学肥料の養分は、簡単に吸収できるようにつくられていますので、稲は根をあちこち張り巡らせたりする必要がありません。例えるなら、稲は点滴を与えているようなもので、寝たきりでも構わない、といったところでしょうか。そうした環境で育った根は、太く短く、量も少なくなり、ひ弱で雨風にも弱い稲になってしまいます。
根が少ないので、土壌の微生物はエネルギーをもらうアテがなくなり、数が減っていきます。生物の多様性は失われ、貧しい土壌になっていきます。

たくさんの生き物に囲まれて、手をかけ過ぎない自然な環境で、根が自由に伸びてゆけば、文字通り、稲は伸び伸びと育ってくれます。
これは私たち人間の世界にも同じことが言えるのかもしれないと、根から思うのでした。


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