【マイセンのあいうえお】恵みの雨

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恵みの雨

前略ごめんくださいませ。

私は株式会社マイセンの代表である牧野仙以知の妻、牧野佐地子と申します。
ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、梅雨の時期がくると、平成6年の「大干ばつ」を思い起こします。

その年は、梅雨にまったく雨が降らないまま、夏を迎えました。
日本中が水不足になり、あちこちで給水制限が行われました。水の便が悪い田んぼでは、まいた肥料が土に溶けることなく残り、地はカラカラに渇いてヒビ割れが走っていました。今にも枯れそうな稲に、穂をあきらめて青田刈りをする農家も出始めました。

ところが、稲は弱りきった身体で、立派な穂を出し始めたではありませんか! 子孫を絶対に残すという強い意志で、懸命に、最後の命を振り絞っているのです。
主人は、「ダメやと思っているのは人間だけや。稲が頑張っているのに、助けてやらんとアカン」と、半分狂乱したようにダンプで川の水を運び始めました。しかし、大きくパックリと地割れした田んぼには、焼け石に水。不眠不休で、川と田んぼを往復しましたが、いくら運んでも、水はザルに流すように消えていくばかりでした。

精根つき果てかけたある日の夕方。そう、忘れもしません、8月16日。村の鎮守の日吉神社の夏祭りの日、にわかに空が曇り始め、待ちに待った雨が降り出したのです。実に、1ヶ月半ぶりのことでした。
その時のことを、私は一生忘れません。天から降ってくる大粒の雨と、自分の涙とが入り混じって、何も見えなくなりました。主人もどこかの田んぼで、今きっと同じ気持ちで泣いているだろうと、もう、言葉に出来ない思いで、胸がいっぱいになりました。

まさに、頑張った稲たちへの、天からの贈り物でした。ただただ感動し、この素晴らしい「生命を育む」お手伝いをさせて頂けたことを、主人とともに感謝いたしました。


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